2004年に5500系を製作した後、増結用車両の候補に挙がっていたのがこの5300系でした。
しかしながら6ポッチと4ポッチ幅のフロントガラスパーツを組み合わせて試作前面を作ったきりで、
側面の表現法も思いつかずに結局5500系中間車2両を製作という形で増備はひとまず終了。
その後頭の中ではイメージしてみたものの、実際には組むこともなく現在に至っておりました。
2008年4月に「春の名鉄まつり」開催にあたり、ようやく5300系が製作される運びとなりました。
まずポイントとなったのは特徴ある前面の表現法。
以前手軽にできそう、と試作したフロントガラスを組合せる表現では少々イメージと違っていたため、
さらに幾つか試してみた結果33度スロープを横付けすることで落ち着きました。
最初は少々大胆か?とも思われたこの表現、慣れてくると結構気に入ってます。
側面はクリアパーツ横付け。グレープレートで囲む事でHゴムも表現してみました。
このHゴムに合わせる形で側窓の寸法も決めたため、クリアプレート2枚を挟んであります。
色違いのクリアということで苦肉の策ではありましたが、良い感じで窓の継ぎ目が表現できました。
ただ中央の側窓は実車が3分割なのに対し、作例では4分割となったのはご愛嬌ということで。
屋根は当初5500系に合わせるべく45度スロープを使用。
ただ前頭部と屋根の傾斜部分が接合する箇所の段差が気になったため、R付パーツに交換しました。
元々5500系よりも車高が1プレート低かったことが幸いし、パーツ交換によって同じ車高となりました。
あとこだわった箇所は「ドアの凹み」。最初は半ポッチずらしパーツを使用することによって
0.5ポッチ凹ませていましたが、実車のイメージからするとちょっと凹みすぎ。
組み方を変更して、パネル1枚分の凹みとしてあります。
名鉄5300系について
名鉄5300系は、1986(昭和61)年に5000系・5200系の下まわりに、当時製造の始まった5700系に
準じた車体を載せて登場しました。4両編成8本、2両編成5本が改造され2008年5月現在全車が健在。
大きな前面窓に加え車掌台側の仕切り窓が広く、客室から前方展望を楽しめる設計となっています。
数年前より新型台車への交換が進められてきましたが、今なお旧台車を履く編成も見られます。
急行から普通列車まで幅広く運用され、早朝の中部国際空港に乗り入れる特急にも充当されています。
パノラマカー7000系とも連結可能で、8両編成の混結急行列車も少し前までは普通に見られました。
7000系の運用減少によりそんな混結編成も過去のものとなりつつあります。
5300系トップナンバー 2010.10 金山
5500系との4連 1997年頃 牛山〜間内
7000系との8連回送列車 2008.5.2 西春
5600型の登場
2010年3月名古屋鉄道は2本あった5700系6両編成の中間車を2両ずつ編成から抜き、同時期に
廃車となった5300系の運転台を取り付けた4両編成1本を登場させました。
5600型として5300系、5700系と共通運用されています。
中間車両に運転台を付けた関係で、連結面よりの側窓が無くなっています。
また車体中央の側窓は従来の先頭車が3分割なのに対してこの車両は4分割。
偶然にも自分の製作した5300系に近いスタイルで登場してくれたのです。
製作から2年経って、実車がモデルのスタイルに近づいてくれることもあるのだなぁと
ちょっと感動した次第です。
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